AEDが適応となる心停止や適応外となる場合はどんなときか

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AEDは電極パッドを貼り付ければ、すべての人に電気ショックが行えるものではありません。電気ショックが不要な状態であれば、電気ショックをする事ができない仕組みになっています。

このコラムでは、AEDによる電気ショックが適応となる心停止や、適応外となるのはどんな場合であるのかを詳しく解説いたします。

AEDについての基本情報はAEDとは?正式名称・使い方・BLS(一次救命処置)の手順を解説でも詳しく紹介していますのであわせてご覧ください。

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株式会社ヤガミは、創業75年以上、AED販売年数20年以上と確かな実績を積み重ねてきました。AEDの累計販売台数は50,000台以上に昇り、国産で唯一のBLS(一次救命処置)訓練人形ブランド『JAMYシリーズ』のメーカーでもあります。証券取引所上場企業(証券コード:74880)。

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AEDが適応となる心停止

AEDは心電図を解析する機能が備わっており、その結果から電気ショックが必要となる不整脈の場合に限り、電気ショックが実行できる仕組みになっています。

電気ショックが必要になる不整脈について、多くは2つにわかれます。

電気ショックが不要な心電図(上)と、電気ショックが必要となる心電図(下)の比較

心室細動

心臓が原因の突然死の多くは、心室細動による心停止です。心室細動は心臓を動かす電気系統が何らかの原因で混乱し、正常な状態であればリズミカルに収縮をして全身に血液を送り出している心臓が、ブルブルと震えて血液が送り出せなくなった状態の不整脈です。

心臓が心室細動に陥ると、脳などの重要な臓器に血液が行き届かなくなり、やがて心臓も完全に停止して死亡してしまうとても危険な状態です。

心室頻拍(無脈性心室頻拍)

正常な心拍数は毎分60~100回であるところ、心室頻拍では心拍数が毎分120回以上になります。30秒以上続く心室頻拍は持続性心室頻拍と呼ばれ、心不全、心筋梗塞など、心臓に構造的な病気がある人や高齢者で多くみられます。心室頻脈の場合は動悸、脱力感、ふらつき、胸の不快感などがみられることもあります。

さらに無脈性心室頻脈に陥ると、心拍が速すぎるため全身に血液を送り出す事ができなくなります。この状態では心室細動と同様に全身から血流がなくなるため、意識を失って倒れ、呼吸もできなくなります。

AEDが適応外となる心停止

AEDはすべての心停止に有効である万能な物ではありません。AEDが適応がならない心停止については心静止があります。「心停止」と「心静止」の違いについても合わせて解説いたします。

心静止

電気ショックが必要になる不整脈である心室細動や無脈性心室頻脈は、心臓が血液のポンプの役割を果たせていないものの、心臓そのものはまだ動いている状態です。一方で心静止とは、心電図の波形が直線で、心臓がまったく動いていない(痙攣もしていない)状態です。心静止に陥った状態の心臓に対しては、電気ショックなどの電気刺激を与えたとしても効果がみられません。

そのため、心静止となった状態の人にAEDを貼り付けた場合、AEDの音声ガイダンスは「電気ショックは必要ありません」といったガイダンスが流れるようになっています。電気ショックが不要となった場合でも、呼吸や意識がない場合には救急車が到着し救急隊に引き渡すまでは心肺蘇生(胸骨圧迫)を続けてください。

心房細動

心室細動と似た言葉で心房細動という不整脈があります。心房細動とは、心臓の心房が細かく震えて血液を上手く送り出せなくなる心疾患です。

心房細動自体は命に関わるような重症な不整脈ではありませんが、動悸や息切れ、疲れやすいなどの症状があり日常生活にも支障が出るようになります。

また、心房内でできてしまった血栓が血流に乗り、脳や他の臓器の血管を詰まらせる事で、脳梗塞や全身性塞栓症などの発生率が高くなるため適切な治療が必要です。

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自動体外式除細動器(AED)とは

ここまでAEDが必要になる状態について詳しく解説してきました。ここからはAEDについて基本的な事から詳しくご説明いたします。

心臓の働き

正常な心臓は一定のリズムで常に収縮をしています。これは心臓が収縮する事で中にある血液を送り出す事にとり、全身に血液を送るポンプのような役割をしています。

血液は脳にとって非常に重要

脳細胞は常に血液から酸素を受け取っていますが、脳細胞は酸素不足に非常に弱く、5分程度の酸欠で壊死してしまうため、脳には血液(酸素)が常に供給されている必要があります。脳に酸素が足りない例えとして、一次的に血圧が低下した場合には脳への血流が低下して、脳が酸素不足に陥ることで、頭がくらくらしたり、目がくらんでしまう、気が遠くなるといった事があります。

心臓が心室細動などの不整脈によって血液のポンプ機能を失い全身から血流が無くなると、意識を失い倒れてしまい、呼吸もなくなります。病院外で、心室細動に陥り痙攣をしている心臓を治す唯一の方法は、AEDを含む除細動器による電気ショックです。

AEDの適応年齢

JRC(日本版)ガイドライン2010対応機種以降、AEDは1歳未満の乳児に対しても使用ができるようになったため、現在AEDはすべての年齢の人に使用する事ができます。

ただし、1歳未満の乳児を含む、小学校入学前までの未就学児に対しては、未就学児用パッド、または未就学児モードを用いてAEDを使用してください。未就学児パッドや未就学児モードがない場合には、パッドを貼り付ける際に、2枚の電極パッドが触れ合うことがないよう注意をして、小学生~大人用の電極パッドを使用してください。

AEDを子どもに使用する方法や注意点などは、AEDを子どもに使う方法と注意点のコラムにて詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

未就学児にAEDを使用する場合の注意点

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